秘密の授かり出産だったのに、パパになった御曹司に溺愛し尽くされています
驚きを隠せないまま端正な顔を覗き込むと、彼はとぼけたように僅かに首を傾げた。
「すべてって。こんなにたくさんリースがあっても、しょうがないでしょ」
「いや、すべて家の中に飾る。結愛が作ったものは、全部俺好みで好きなんだ」
思わず尋ねた私に、秋人は優しく説き伏せる。
過去の記憶と重なり、鼓動が大きく跳ね上がった。
お店にいるときも、一緒に住んでいたときも、秋人はよく、私が作ったものを絶賛してくれた。
自信がなかった学生時代、つねに一番のファンとして私を肯定し続けてくれたのだ。
それが当時、どれだけ心強かったか……。
「あ……ありがとう。そこまで言ってくれるなら……別にいいけど……秋人は、お客様だもんね」
「ああ。いち顧客として心から思っているよ。結愛」
脚立に乗って商品をピックアップしているとき、背後から囁くような言葉が届いた。
表情が歪む。
その慈悲溢れる声色を、どうして私に向けることができるのだろうか。
私は二度深く傷つけたはずだ。秋人が何を考えているのか、本当に分からない……。
この複雑な感情を見破られないよう、私は少しだけ口角を上げ振り返った。
「じゃあ、他には大丈夫かしら?」
「ああ、今日はその三つだけを購入させてもらう」
「ではこちらに」
落ち着かない空気の中、秋人をレジカウンターへ案内する。
緊張しつつもなんとかお会計を済ませると、ふいに向かい側から強い視線を感じた。
「結愛。どうしてさっきから、そんな怯えた目をしているんだ?」
「え?」
探るように目の奥を見つめられ、じんわりと額に汗が滲んだ。
「私は……どう接していいのか分からないだけだよ。秋人が何を考えているのか、まったく見当がつかなくて戸惑ってる」
素直に疑問をぶつけると、彼はふっと楽し気に笑い、形のいい唇を開いた。
「未だに結愛のことを好きだと思っている。もう一度惚れてくれたら、どれだけいいだろうって」
ハッキリ言い放った彼を、思わず凝視する。