あの日ふたりは夢を描いた
朝食をほとんど食べ終えたが、不自然なほど昨日のことにはお互い触れなかった。

だけどお母さん、言わせてほしい。

「お母さん、がっかりさせてごめんね。

……だけどいつか、もう少し今の私に目を向けてくれたら嬉しい。

昔には戻れないから……。私は今しか生きられないから」

お母さんがどんな表情でそれを聞いていたのかはわからない。

私は食べ終えた食器を片づけ、「行ってくるね」といつものテンションでそう言い、リビングをあとにした。
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