あの日ふたりは夢を描いた
「並木?」

声のする方を向くと、心配そうな顔をした真柄くんが立っていた。


「……真柄くん」

「どうして泣いてるの?」

真柄くんはゆっくり私に近づいた。

「……みんなみんな、私の中に昔の私を探すから。誰も今の私なんか見てくれない」

苦しい思いが溢れて止まらなかった。

誰かにただ話を聞いてほしくて、目の前にいる優しい真柄くんに甘えてしまった。
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