闇堕ちしたエリート医師は一途に禁断の果実を希う
 ランプの点った部屋を確認し、陸奥は何も言わずに駆けていく。
 ぽかんとした表情で健太郎は天を見上げ、ぽつりと呟く。


「……天、オレはどうすればいい」
「いまは何もしなくていいわ。陸奥先生に任せれば?」


 自嘲にも似た笑顔を見せ、天は弱々しい夫の背中をぽん、と叩く。
 
 ナースコールの出どころは、亜桜小手毬の部屋だった。
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