闇堕ちしたエリート医師は一途に禁断の果実を希う
 密かに霊能者や占いを利用し、豊かさを手中に収めているという情報番組の特集を組ませたのもまた、桜庭雪之丞だったとか。
 眉唾もののエセ科学が殆どだろうが、そのなかにはまぎれもない本物が潜んでいた。それが“諸神信仰”……

「亜桜家の娘に執心のようだな」

 小手毬が自分を庇って交通事故にあった翌年の親族の集いで、自由は亡き祖父に詰め寄られた。事故にあった幼馴染みに夢中になるがあまり、勉学を疎かにしていないかと。だが、祖父は一族の他の人間と違い、小手鞠に嫌悪に似た忌避感を抱いていない。



「お前が彼女を手にいれたいのなら、それ相応の覚悟が必要だぞ。なんせあれは――」
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