闇堕ちしたエリート医師は一途に禁断の果実を希う
 さきほどの、天の話を耳にするまでは確信を持てなかったから。けれど、天は今になって自由に曝け出した。
 自由と小手毬は異父兄妹。
 この関係性は雪之丞と雛菊に近いものがある。

 諸見里本家の宗主―ー祖父も言っていたではないか。女神を奪ったから、あの男には天罰が下ったのだと。

「俺にもきっと、天罰が下るな」

 ふっ、と自嘲しながら自由は決意する。
 ――もう、ここにはいられない。



 諸見里自由が辞表を提出し、誰にも知られず姿を消したのはそれから三日後のことだった。
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