闇堕ちしたエリート医師は一途に禁断の果実を希う

 転院当初よりも女性らしくなった小手毬を見て、加藤木は何も言えなくなる。幼馴染に叶わぬ恋をしながら、ほかの男に身体を捧げなくてはならない“女神”の“器”。最後まではしていないというが、小手毬は男性医師たちの手で確実に女としての悦びを教えられている。あくまで医療行為だと、陸奥だけは言い訳していたが、もはや逃れられないと悟ったのか、近頃は小手毬に対する態度を和らげている。
 いまだけの歪んだ関係。
 それでもこのことを自由が知ったら発狂するだろう。

「だけど、ミチノクは“器”の適合者じゃないから、それ以上のことはできないよ。ウリュウなら問題ないって言ってたけど」

 加藤木は非科学的なことを平然と口にする小手毬に辟易してしまう。けれど生まれた頃からそれが当たり前のものであると刷り込まれている彼女からすると、この土地へ外から入ってきた加藤木や陸奥の方が異質な存在なのだろう。
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