闇堕ちしたエリート医師は一途に禁断の果実を希う
「バレたらどうするつもり?」
「バレても彼らは黙って指を咥えているしかないの。なんのために大金を病院側は出してると思う?」
「……口止め料」
「せいか〜い」
あえて茶化すように言葉を紡ぐ加藤木の図々しさに天はがっくりと頭を垂れる。
彼女は部外者でありながら、いや、部外者だからこそ、ここまで自ら手を汚すことなくやりきったのだ。これが天だったら、亜桜菊花と手を組むなど考えもしなかっただろう。
「母は娘の幸せを願ってる。たとえそれがこの土地で禁忌と呼ばれる兄妹同士の恋愛であっても」
「加藤木先生はそのことについてどう思っているんだ?」
「菊花自身、一度は雛菊という名前で嫁に出たが異父弟である雪之丞との大恋愛をしている。ふたりの関係が公になることはなかったが、雪之丞は生涯菊花という女を囲い続けた……それもまた愛の形なのでは?」
はぐらかさないで、と言おうとして、天は泣き笑いの表情を浮かべる加藤木を前に硬直する。
「バレても彼らは黙って指を咥えているしかないの。なんのために大金を病院側は出してると思う?」
「……口止め料」
「せいか〜い」
あえて茶化すように言葉を紡ぐ加藤木の図々しさに天はがっくりと頭を垂れる。
彼女は部外者でありながら、いや、部外者だからこそ、ここまで自ら手を汚すことなくやりきったのだ。これが天だったら、亜桜菊花と手を組むなど考えもしなかっただろう。
「母は娘の幸せを願ってる。たとえそれがこの土地で禁忌と呼ばれる兄妹同士の恋愛であっても」
「加藤木先生はそのことについてどう思っているんだ?」
「菊花自身、一度は雛菊という名前で嫁に出たが異父弟である雪之丞との大恋愛をしている。ふたりの関係が公になることはなかったが、雪之丞は生涯菊花という女を囲い続けた……それもまた愛の形なのでは?」
はぐらかさないで、と言おうとして、天は泣き笑いの表情を浮かべる加藤木を前に硬直する。