闇堕ちしたエリート医師は一途に禁断の果実を希う
 真面目で誠実な優璃が、いつ壊れるかと早咲は恐れることがある。患者の加害者である優璃は、精神的負荷を感じつづけているはずなのに、未だに弱音を吐かない。事故当時は事情も理解できず混乱していたようだが、それでも早咲には、彼女が冷静に物事を処理していたように見えた。


 そして事故から一年半が経過したというのに、被害者の家族と和解が成立したというのに、彼女は決まった曜日に真新しい花束を添えて少女を見舞う。無理をしなくていいと患者の家族に言われても、彼女は花を贈りつづける。


 今日も。

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