わけあり男装近衛騎士ですが、どうやら腹黒王太子の初恋を奪ってしまったようです~悪役令嬢回避のつもりが、いつの間にか外堀を埋められていた件について~
「そうですね。そして、ケイトはデビュタントでクリストファー殿下と出会い、彼と婚約をする」
クリストファーとは、シュテファンの兄である第一王子である。
「だが、そうならなかった。ケイトがケビンの代わりとなったときから、彼女の運命はかわった」
「えぇ……、私はあの子たちの母親ですから。我が子が破滅の道に進むのがわかっているならば、それを回避しようとするのは当たり前ではなくて?」
「オレは……。ケイトさえ手に入れば、あとはどうだっていい」
「殿下のそういうところが好きですよ。……、あら。あの子が戻ってきたみたい」
二十歳を過ぎた娘を捕まえて「あの子」もないだろうに、やはり母親にとって子はいくつになっても子なのだろう。
「どうぞ、ごゆっくり」
そう言葉を残し、キャロリンは東屋を立ち去る。
この世界が、いわゆる乙女ゲームと呼ばれる世界であることに気づいたのは、双子を産んだ時だ。双子の誕生に喜んだトレイシー侯爵は、男の子にケビン、女の子にケイトと名付けた。
ケビンは生まれつき身体が弱く、伏せがちである。それに引き換え、ケイトは元気で逞しい女の子だった。
キャロリンは既視感を覚える。
クリストファーとは、シュテファンの兄である第一王子である。
「だが、そうならなかった。ケイトがケビンの代わりとなったときから、彼女の運命はかわった」
「えぇ……、私はあの子たちの母親ですから。我が子が破滅の道に進むのがわかっているならば、それを回避しようとするのは当たり前ではなくて?」
「オレは……。ケイトさえ手に入れば、あとはどうだっていい」
「殿下のそういうところが好きですよ。……、あら。あの子が戻ってきたみたい」
二十歳を過ぎた娘を捕まえて「あの子」もないだろうに、やはり母親にとって子はいくつになっても子なのだろう。
「どうぞ、ごゆっくり」
そう言葉を残し、キャロリンは東屋を立ち去る。
この世界が、いわゆる乙女ゲームと呼ばれる世界であることに気づいたのは、双子を産んだ時だ。双子の誕生に喜んだトレイシー侯爵は、男の子にケビン、女の子にケイトと名付けた。
ケビンは生まれつき身体が弱く、伏せがちである。それに引き換え、ケイトは元気で逞しい女の子だった。
キャロリンは既視感を覚える。