人質として嫁いだのに冷徹な皇帝陛下に溺愛されています

 庭園のテラステーブルにはアフタヌーンティーの準備が整っていた。
 スコーンとサンドウィッチとクッキーと、それからイレーナのためのバースデーケーキが用意されていた。
 ケーキは正方形で白いクリームの上にたっぷりの苺とさりげなくピンクの薔薇が添えられている。
 もちろん、イレーナの誕生日を祝うメッセージプレートもあった。

「まあ、こんなサプライズがあるなんて驚きましたわ」
「お前の驚く顔が見たくて用意してもらった」
「ヴァルクさまが提案されたのですか?」
「ああ、そうだ。愛する妻とゆっくり過ごせるせっかくの時間だ。いつもは倹約家のお前もこういう日くらい贅沢をしてもいいだろう」

 イレーナは驚きのあまり、声を上げた。

「い、今なんとおっしゃいました!?」
「せっかくゆっくり過ごせるのだから」
「違います。そこではなくて!」
「いつもは倹約家のお前も」
「そこでもありませんわ!」

 ヴァルクは眉をひそめた。



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