再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

「ローサとメリーが一緒ならってことで」

 私にぴったりとくっついて縮こまるように座っているメリーを見ながら答える。

「そっか。やぁ~それにしても良かった。これで俺の面目も立つよ」
「そういえば、カネラ王子はおひとりでここまで来たんですか?」

 一国の王子様なのにお付きの人が誰もいないなんて。今更ながら不思議に思って訊ねる。

「あぁ、港でうちの船が待機していてね、そこで皆俺を待ってるよ。竜帝は気難しいって聞いてたから、敢えてひとりで来たんだ。こちらは丸腰ですよ~ってね」
「でも、よく許してくれましたね」

 先ほどの王子と同じように首を傾げる。
 リューが気難しいと聞いていたなら尚のこと、ひとりでは危険だと反対されなかったのだろうか。
 と、王子はふっと口端を上げた。

「まぁ、俺は王子っていっても三番目だからね。聖女サマほど大事にはされてないってこと」

 そうしてカネラ王子は窓の向こうに視線を投げた。
 そこから見えるのは木々の緑だ。

(そっか、砂漠の国には王子様が10人くらいいるんだっけ。きっと色々あるんだろうな……)

 王子の涼し気な横顔を見ながらそんなことを思った。

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