再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
7年ぶりに降り立った砂漠の国は、やっぱりめちゃくちゃ暑かった。
陽がほぼ真上にあるから尚更そう感じるのかもしれないけれど、じりじりと肌が焼かれていく音が聞こえるような気がした。
船の上はまだ海風のお蔭で涼しく感じられたのだけど。
「メリー、大丈夫?」
「あっついのです~」
私のすぐ隣をふらふらと飛んでいるメリーがすでに赤い顔をしていて心配になる。
元々もこもこの毛皮を着ているようなものだから当然だ。
「なんだ、この暑さは……」
そんな呻き声が聞こえて振り向けば、リューも不快極まりないという顔で顎に伝った汗を拭っていて、流石のローサも眩しそうに手で日よけを作っていた。
確かに、リューやローサの住む『竜の帝国』はここに比べると大分涼しい。元の世界でいうと北欧あたりの気候に近いのではないだろうか。
でも私は、今こうして揺れない地面に立っていられることが本っ当に嬉しくて、暑さは正直そこまで苦に感じなかった。
(というか、最近の日本の真夏の方が暑い気がする……)