偽る恋のはじめかた

自分でも思う、俺は女心がわからない。



恋愛ができなかったわけじゃない。
ただ、恋愛が下手くそで、どちらかというと女性が苦手だった。


高校、大学とそれなりに恋愛をした。

これでも告白はするよりも、告白された回数の方が多かった。


だだ、彼女から告白されて付き合ったのに、


「桐生くんは、つまらない･･････」


いつもそう言われてフラれた。


何回も同じ理由でフラれると、流石にしんどくなってきて、どんどん恋愛から遠ざかっていった。

社会人になると、仕事に精を出して恋愛なんてしなくても心は満たされていた。

ああ、これが自分にとって正解なんだと思った。


悩む理由がなくなって、恋愛なんて俺の人生に必要ないな、と思っていた。


彼女を見かけたのは、そんなことを思いながら営業部で仕事に励んでいるころだっだ。


社内で見かけた彼女、雨宮梨花(あまみや　りか)さんの美しさに一瞬で目を奪われた。


一目惚れだったんだと思う。