偽る恋のはじめかた






雨宮梨花さんは、とんでもなくモテると噂をよく耳にした。

誰が見ても綺麗と思う容姿をしているので必然なできごとだった。


俺はただ1年間片思いをしていたわけではない。

情報を集めた中に、彼女の好きなタイプを知ることができた。



彼女の好きな男性のタイプは、
"俺様上司"


食堂で彼女が同僚と昼ごはんを食べている際に、そっと近くの席に座り、盗み聞きをしていたので間違いはないだろう。



「雨宮さんの求める俺様上司になろう」


一つの大きな決断をする。



この日から、勉強の日々が始まった。

人事部に移動するまでの猶予の時間をできる限り"俺様上司"を勉強する時間にあてた。


 
ここで一つの問題が発生する。

俺の頭の中の辞書には"俺様上司"と言う単語がなくて、詳細がわからなかった。

徹底的に調べた。俺様上司というものを。


調べること数週間・・・・———。
"俺様上司"のweb漫画を見つけた。

漫画を読み進めるのと、登場する俺様上司は、様々な女性からアプローチをされモテていた。


・・・・・・これだ!と思った。



"俺様上司"と"モテる"



求めているそのものだった。


スマホに穴が開くんじゃないかと思うほど
何回も何回も、毎日毎日、繰り返し読んだ。


100回以上読んだころには、セリフや態度など頭に叩き込むことができた。

きっと、理想の俺様上司になれる。
そう信じて疑わなかった。





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