偽る恋のはじめかた
作戦と勉強と研究を重ねて、練りに練った俺様上司を演じることに慣れてきたな。と思っていた頃だった。
———事件は起きた。
「・・・・・・ない」
俺様上司のメモをしている黒い手帳を落としてしまった。
まずい、まずい、まずい。
あの手帳には俺様上司になるための秘策がメモしてある。中身を見られでもしたら・・・・・・大惨事だ。顔色がどんどん蒼くなっていくのを感じた。
手帳を必死に探し回っていると、探し求めている手帳を、椎名さんが手に持っているのを見かけた。
俺が声をかけると、椎名さんは不敵に笑った。
彼女の表情は、嫌な意味で頭の脳裏にこびりついている。
その日から始まったんだ。
俺と椎名さんの不思議な関係は・・・・——。