偽る恋のはじめかた
「ふ、ふ、ふ、2人で?!」
「は、い?」
「……2人きりでランチに行ったのかい?!」
「まあ、そっすね」
「なんでっ?!!!」
桐生課長の解き放たれた大きな声に驚いて、私と黒須くんは固まった。
「…い、いや、ごほんっ。なんでもない。…黒須くんが支払ったの?」
「はい……まあ、いうてもそんな大した値段じゃないっすから」
「……これで、足りる?」
ポケットから財布を出したかと思えば、千円札を黒須くんに渡そうとしている。
……え、なんで?!
目の前で起きている現状が理解できなかった。