世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
エレベーターから降りて自宅へと向かいながら、すぐに私はまたため息を吐き出した。

私の家の前には猫のように丸くなった世界が転がっていたから。

「ばか……どれだけ飲んだのよ……」

世界の周りにはビールの空き缶が壁に沿って積み上がっている。私はしゃがみ込むと世界の肩を揺すった。

「世界くん、風邪ひくよ、起きて」

「……んっ……」

世界の長い睫毛がピクンと動いて、世界が左手で目を擦った。

「う、めこ……さん?」

「もう、何で私の家の前で飲んだ上に寝てるのよ……」

「遅いから、心配で……全然電話でてくれねぇし、LINEも既読にならねぇし……」

世界は片手をつきながら、身体を起こした。

「……だからって……ほら、肩貸すから立って。世界くんの部屋まで連れてくから」

「やだ。水飲みたい、梅子さん家いく」

「え?」

「じゃないとここで寝るから」

「ちょっと……困らせないでよ」

世界が私の目をじっと眺めながら頬に触れた。

──「……俺だけだった?会いたかったの」


会いたくなかったと言えば嘘になる。
殿村といても、世界の顔が何度も過ぎって、その都度掻き消した。

でも世界の言葉にすぐには答えられない。自分の気持ちに知らないフリをしていないと想いがどんどん膨らんでそのうち、心から溢れてしまいそうだから。
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