世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「……水、飲んだら帰るから」

「だめ、帰って」

「何で?少しでいいから話したい。一緒に居たい」

世界の綺麗な瞳に見つめられると、無意識に逸らしたくなる。その真っ直ぐな瞳に応える自信がないから。

「今度、お互い酔ってない時に話しましょ。私も……世界くんに話したいことあるし」

「何?」

「また今度って言ったでしょ」

契約交際の解除について話そうと思っていたが、お互いシラフの時の方が良さそうだ。

私は立ち上がると鞄から鍵を取り出し鍵穴に差し込み回した。

「ほら、立ってよ、家入れないから」

世界が私を見上げながら立ち上がる。私は世界を見ないようにして玄関扉を開けた。

「梅子さんから……タバコの匂いする」

「え?ちょっ……」

大きな手が伸びてきたと思えば、そのまま玄関の中に世界に引っ張り込まれてぎゅっと抱きしめられる。

「ちょっ……と……離して」

世界が後ろ手で鍵を閉めると耳元で囁く。

「……もうマジで限界」

「せか……ンンッ……」

噛み付くようなキスを繰り返されて呼吸がままならない。

「ンッ……離……ン」

両手で世界の胸元をぐいと突くがビクともしない。世界の舌が唇を割って入ってくる。空気を求めて大きく口をひらけば、世界の唇が呼吸を妨げるようにより深く口付けて、何も考えられなくなる。

「そんな顔されたら、もう待てできない」

「えっ……きゃっ」

視界が高くなって、白い天井と世界の横顔が見えて世界にお姫様抱っこされていることに気づく。

「ばか、下ろして!何すんのよっ!」

世界は器用に私の足からパンプスを放り投げると、寝室に向かって真っ直ぐに歩いていく。世界が何をしようとしているのか分かって心臓が跳ね上がる。
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