世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
──ピンポンピンポンピンポーン。

「へ?」
「え?」

慌てて起き上がると二人して玄関先へと視線を向ける。

「え?誰?」
「今日土曜日すよね?俺見てきま」

──♪チャーラーチャラーララーチャーラーチャーララー

すぐに鳴り出したスマホは着信音から梅子のものだ。

「え、このタイミングで……?」

すぐに梅子がスマホを鞄の中から拾い上げると素っ頓狂な声を上げた。

「きゃあ!嘘っ!ちょっと世界くん、早く帰って!いや、違う、隠れて!いや、もう無理じゃないっ」

「え?何っ?どしたんすか?そんな慌てて」

──ピンポンピンポン。

再びインターホンが鳴り響き、玄関扉の方から女性の声がする。

「梅ちゃん!着メロ聞こえたわよ!いるんでしょう!開けなさい」


「え?誰すか?」

「あぁっ!何でこうなるのよっ、とりあえず世界くんシャツちゃんと着て!」

俺はベッドから立ち上がると半分脱ぎかけていたワイシャツのボタンを閉め、ベッド下に落ちていたネクタイを締め直した。

「誰なんすか?」

「お母さんだから」

「へ?お母さん?」

「そう、私のお母さん。世界くん、靴持ってベランダから帰ってくれる?」

「何で?」

「何でって……」

梅子が乱れたベッドを雑に直しながら戸惑った顔を見せた。

「やましいことなんて何もないじゃん。ご挨拶させて」

「ご挨拶って、まさか……」

「俺は付き合ってますって言ってもいいけど、その顔だと会社の後輩ってことにしときますかね。ほら早くお母さん待たせちゃ悪いじゃん」

俺が背中を軽く押せば、梅子は小さなため息を残しながら玄関へと駆けていった。
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