世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「あれ?梅子さん、やっぱ顔赤くないですか?」

「そうねぇ、私もそうおもうわ、梅ちゃん熱でもあるの?」

私は思いっきり世界の足を踏んづける。
世界がお好み焼きを吹き出しそうになりながらグラスに手を掛けた。

「大丈夫よ……ちょっとお好み焼きが熱くて」

「もう、梅ちゃん猫舌なんだから、火傷しないようにしなさいね」

「分かってるわよ、子どもじゃないんだから」

今日ほど猫舌でよかったと思ったことはあっただろうか。大きめに口に入れたお好み焼のソースが世界から嚙みつくように何度もキスされた唇に滲みる。

(キス……そういや私……殿村からも……)

いろんなことが同時進行で起こって、恋愛の思考回路が少ない脳みそはうまく機能していない。ただ世界の想うツボに物事が進んで言っている気がしてならないのは気のせいだろうか。

「ごちそうさまでした、お母さん凄くおいしかったです」

「あら、世界くんのお口に合って良かったわ」

「お母さん直伝のお好み焼き覚えたんで、また梅子さんにも作ってあげますね」

世界が嬉しそうに無邪気に笑う。その笑顔に心はやっぱりぎゅっとなる。

(もうどうしたらいいんだろう……)

自分の中の恋の高鳴りにとまどいながらも、もう後戻りできない気持ちに気づいた私は「ご馳走様でした」と小さく呟いて箸をおいた。
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