世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
ようやく涙をひっこめた梅子を見て俺はふっと笑った。手を伸ばして俺は梅子をベットから引き上げる。

「嘘。ちゃんと待てできるし、なんか腹へったし。ね、梅子さんもお腹減ってない」

「う、ん。たしかにお腹減ったかも。寝てただけなのに……」

梅子が片手でお腹に手を当てながら肩をすくめた。

「すぐにカレーあっためるから一緒にたべよ?梅子さんの好きな人参いっぱい入れてきた」

「うん……世界くん……ありがとう」

にこりと笑う梅子に心から安堵する。この笑顔を俺がずっと守っていきたい。必ず同じ未来が待ってると俺は信じてるから。

「どういたしまして」

俺は口角を上げて梅子に顔を寄せた。

「え?何?」

「カレー、梅子さんに美味しいって食べてほしくて、めちゃくちゃ煮込んだから。頑張ったご褒美頂戴」

「へ?ご褒美?」

目をまん丸にした梅子は、僅かに俺から距離を取った。

「早く、チューして」

左手の人差し指で俺は自身の頬に触れる。

「えっと……ごめ、恥ずかしくて……」

「悪いけど、俺もすっげー恥ずかしいの我慢してんすけど」

「じゃあ、何でいうのよっ」

「梅子さんが好きだから」

にんまりと笑った俺に観念したかのように、梅子の唇がそっと俺の頬に触れた。
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