世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
第5章 難解な恋の図面
「源課長おはよう御座います」
「おはよう」
私は通りすがりの社員といつものように挨拶を交わしながら、颯爽とパンプスを鳴らし会社のエレベーターへと乗り込んだ。少しだけ離れて歩いていた人物がさっと私の横にならんだと思えば、混雑したエレベーターのなかでやけに密着してくる。私は思わず肘で突いた。
(ほんとに朝から……このワンコは……)
世界が朝、私と一緒に出勤したいと突然インターホンで呼びに来たときは正直驚いた。今までは行きも帰りも別々にしていたのだが、世界がバレないようにするから少しでも一緒にいたいと聞かなかったためこうして少し距離を取りながら出勤してきたのだ。
(だから!近いのよっ)
少しだけ顔を上げて再度世界の脇を押しながら世界を睨むが、世界は形の良い唇を引き上げると私の掌を掴み指先を絡めた。
(ちょっと、ばかっ。誰かに見られたら……)
慌てて指先を離そうとするが力強く握りしめられた指先はピクリともしない。
エレベーターの中は営業課のフロアで人が一気に降りて世界と私の二人きりになる。
「やめて!離しなさいよ」
「なんで?エレベーターの中くらいいいじゃん」
「会社の敷地一歩でもはいったら、接触厳禁!これは切腹案件よっ!わかった?」
無理やり掌を解くと世界がつまらなそうな顔をする。
「なによ、その顔……」
「せっかく両想いになって初めての出勤なのにさ、面白くない。首元のキスマだってちっとも見えてないし」
「ちょ……両想いって……それに首元はわざわざ詰まった襟のブラウスで隠してんのよっ、誰かが噛みつくせいで!」
「噛みつくっていい響き、両想いツボっすねー」
「いちいち大きな声でいわないでっ」
「何回でもいいますよ。梅子さんって俺のこと好きなん、ンッ」
世界の口を掌でふさいだと同時にエレベーターの扉が開く。
「おはよう」
私は通りすがりの社員といつものように挨拶を交わしながら、颯爽とパンプスを鳴らし会社のエレベーターへと乗り込んだ。少しだけ離れて歩いていた人物がさっと私の横にならんだと思えば、混雑したエレベーターのなかでやけに密着してくる。私は思わず肘で突いた。
(ほんとに朝から……このワンコは……)
世界が朝、私と一緒に出勤したいと突然インターホンで呼びに来たときは正直驚いた。今までは行きも帰りも別々にしていたのだが、世界がバレないようにするから少しでも一緒にいたいと聞かなかったためこうして少し距離を取りながら出勤してきたのだ。
(だから!近いのよっ)
少しだけ顔を上げて再度世界の脇を押しながら世界を睨むが、世界は形の良い唇を引き上げると私の掌を掴み指先を絡めた。
(ちょっと、ばかっ。誰かに見られたら……)
慌てて指先を離そうとするが力強く握りしめられた指先はピクリともしない。
エレベーターの中は営業課のフロアで人が一気に降りて世界と私の二人きりになる。
「やめて!離しなさいよ」
「なんで?エレベーターの中くらいいいじゃん」
「会社の敷地一歩でもはいったら、接触厳禁!これは切腹案件よっ!わかった?」
無理やり掌を解くと世界がつまらなそうな顔をする。
「なによ、その顔……」
「せっかく両想いになって初めての出勤なのにさ、面白くない。首元のキスマだってちっとも見えてないし」
「ちょ……両想いって……それに首元はわざわざ詰まった襟のブラウスで隠してんのよっ、誰かが噛みつくせいで!」
「噛みつくっていい響き、両想いツボっすねー」
「いちいち大きな声でいわないでっ」
「何回でもいいますよ。梅子さんって俺のこと好きなん、ンッ」
世界の口を掌でふさいだと同時にエレベーターの扉が開く。