世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
俺たちは都内の工場でトイレセットを6セット受け取ると、すぐに郊外の現場にむけて出発した。道路は思っていたよりも空いている。予定よりも早く現場に到着できそうだ。

(ん?まただ)

「どうしたんすか?」

「あ、いや、なんでもないの」

「ふうん」

俺は梅子を助手席に乗せてからこうやって定期的に視線を感じる。俺というよりも梅子は俺のもつハンドルやギア操作を眺めているように見える。

「何?そんなに運転してる俺カッコいいすか?」

「違うわよっ……ちょっと……」

「ちょっとなんすか?」

梅子は一旦口を閉じてから小さく口を開いた。

「運転って……どんな感じだったかなって」

「えっ!まさか梅子さんペーパーすか?」

「悪い?!だって、車持ってないし、日ごろ運転しなくても公共交通機関あれば困らないし……」

俺はやれやれと首を傾げた。

「何よっ……次同じことあったら、今度は私一人で納品して見せるから」

「あのね急に運転できる訳ないでしょ。てゆうか、俺いなかったらペーパードライバーのクセにどうするつもりだったんすか?」

「な、なんとかなるかなと思ったの。非常事態だし……女は度胸っていうでしょ。それに今までだって仕事関係は一人でなんとかしてきたから」

「度胸で運転がなんとかなるわけないでしょ。今までほかのことなんとかしてきたのは、梅子さんのいう褒められ案件ってヤツですけどね。で、前から思ってましたけど一人で抱え込まないでもうちょい周り頼ったらどうすか?俺含めて」

「別に……抱え込んでるつもりないし、一応課長だし……何事も課の先頭に立たなきゃいけないでしょ……」

俺は梅子に聞こえるようにため息を吐きだした。
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