世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
車内にふざけた着メロが響き渡って俺はすぐにアイツの顔がよぎった。

「えっと……あ、ごめ、殿村だ。田中インテリア産業さんの件」

「でなくていいっすよ」

「えっ、何言って、相手の方もすごく怒ってるって言ってたし、殿村の得意先だから」

「田中インテリアならなおさら大丈夫、俺にまかせて、てことで」

俺はすぐに路肩に車を止めると、隣に座る梅子の掌からスマホを取り上げスワイプした。

「えっちょっと世界くん」

──『もしもし梅子?ごめん、営業行ってて気づかなくて、今森川さんから聞いた。僕、契約があって、すぐには行けないけど』

(こいつこんな声だすのかよ)

その声色ひとつでも殿村が梅子のことをいかに心配していて、大切に思っているのかが分かる。

「もしもし御堂ですけど、その必要ないですよ、俺が梅子さんと現場納品いってうまく現場も収めてきますから」

──『なんでお前が……梅子は?梅子に代われよ』

「梅子さんへの要件なら恋人の俺が聞きますので」

──『ふざけるなよ』

「ふざけてませんから。なんなら梅子さんも俺のこと好きだって言ってますからね」

俺のスマホを持つ手を梅子が引っ張った。

「御堂くん、スマホ返してっ」

(御堂くんって言ったか?それ地雷だな)

「殿村部長、悪いですけど現場向かって運転中なんで失礼します」

俺は殿村の返事も聞かずに電話を切ると、梅子の顎を掴んだ。
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