世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
──どのくらい経っただろうか。
すっかり晴れ渡っていた青空はあったかいオレンジ色に色を変えて、うっすら月が登り始めている。私は現場である『メゾン・ド・ミャー』の一室で最後のトイレを設置している世界と新の後ろ姿を眺めながら、新が差し入れてくれたコーヒーに口づけた。新と世界は職人たちを予定通りの時間に帰らせると、二人でせっせと図面片手にトイレと配管をつないでいく。
(施工……私もできたらいいのにな)
日々見積をするのに施工図や現場図面は見慣れていて、ある程度の知識は持ち合わせているがあくまで見積をするための知識だ。何もできないのがもどかしい。ただただ私は二人の作業の様子を少し離れた場所から眺めていた。
「世界、塩ビ管の角度もうちょい下」
「はい、こうすか?」
「お。そのまま」
(すごいなぁ……)
世界は大学在学中に経営学を学びながら、高校の悪友だった新の家が経営する田中インテリアに出入りし、施工技術を新の元でアルバイトとして働きながら学んだそうだ。さらに世界が施工するのに必要不可欠な電気工事士及び電気工事施工管理技士の資格までもっているとは驚いた。
──ブルルッ
スカートの中のスマホが震える。コーヒーのペットボトルのキャップを閉めると私はスマホの液晶をのぞき込んだ。
──『梅子、田中社長にはお詫びの電話は入れておいたが大丈夫か?まだ現場?契約が立て込んでて行ってやれなくて本当にごめん』
私は殿村のメッセージを見ながらため息を吐きだしそうになってやめる。殿村にはもう一度二人で会ってちゃんと話さなければならない。
「よし、と世界うまくいったな」
「そうすね。あ!梅子さーん、陶器キャップ取ってくれる?」)
見ればこちらに向かって世界が手招きしている。
「あ、分かった」
私はスマホをポケットに突っ込むと、世界と新の元へ飛んでいく。
「そんな慌てなくても大丈夫っすよ」
世界の綺麗な顔は長時間の施工作業で頬が汚れている。
すっかり晴れ渡っていた青空はあったかいオレンジ色に色を変えて、うっすら月が登り始めている。私は現場である『メゾン・ド・ミャー』の一室で最後のトイレを設置している世界と新の後ろ姿を眺めながら、新が差し入れてくれたコーヒーに口づけた。新と世界は職人たちを予定通りの時間に帰らせると、二人でせっせと図面片手にトイレと配管をつないでいく。
(施工……私もできたらいいのにな)
日々見積をするのに施工図や現場図面は見慣れていて、ある程度の知識は持ち合わせているがあくまで見積をするための知識だ。何もできないのがもどかしい。ただただ私は二人の作業の様子を少し離れた場所から眺めていた。
「世界、塩ビ管の角度もうちょい下」
「はい、こうすか?」
「お。そのまま」
(すごいなぁ……)
世界は大学在学中に経営学を学びながら、高校の悪友だった新の家が経営する田中インテリアに出入りし、施工技術を新の元でアルバイトとして働きながら学んだそうだ。さらに世界が施工するのに必要不可欠な電気工事士及び電気工事施工管理技士の資格までもっているとは驚いた。
──ブルルッ
スカートの中のスマホが震える。コーヒーのペットボトルのキャップを閉めると私はスマホの液晶をのぞき込んだ。
──『梅子、田中社長にはお詫びの電話は入れておいたが大丈夫か?まだ現場?契約が立て込んでて行ってやれなくて本当にごめん』
私は殿村のメッセージを見ながらため息を吐きだしそうになってやめる。殿村にはもう一度二人で会ってちゃんと話さなければならない。
「よし、と世界うまくいったな」
「そうすね。あ!梅子さーん、陶器キャップ取ってくれる?」)
見ればこちらに向かって世界が手招きしている。
「あ、分かった」
私はスマホをポケットに突っ込むと、世界と新の元へ飛んでいく。
「そんな慌てなくても大丈夫っすよ」
世界の綺麗な顔は長時間の施工作業で頬が汚れている。