世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
するはずのない声とスウェット姿の世界がソファーで胡坐をかいて座っている。驚きすぎて尻もちを突いた私を見ながら、世界がケラケラ笑った。

「驚きすぎ」

「ちょ……なんで、玄関鍵かかってたでしょ?!どうやって入ったのよ!」

世界が私の目の前にしゃがみ込むと、むすっとした顔をする。

「てゆうか、返事そっけなさすぎ!面白くない」

「あのね、LINEの返事に面白いも面白くないもないでしょう!どっから入ったって聞いてるの!」

世界がベランダの窓を指さしながら首を傾けた。

「ちょっと前に梅子さんのベランダ拝借したことありましたけど、ベランダも鍵かけないんすね。かけたほうがいいっすよ、誰かに押し入られたらどーすんの?」

世界が口を尖らせながら私のおでこをツンと突いた。


「え?あぶな……ていうか不法侵入じゃない!」

「ベランダから落ちる危険を冒してでも恋人に会いに来た、一途でかわいい年下彼氏の俺をもっと褒めて欲しいんすけど?」

「褒められ案件じゃないわよっ!大体そんな恥ずかしげもなく……一途だの……かわいいだの……」

「いいじゃん、どうしても会いたかった。そんだけ」

おでこを摩りながら目を細めた私をみながら世界はにんまり笑った。

「あ、よく考えたら梅子さん角部屋なんで、ベランダって俺しか出入りできないんすね、ってことで押し入れるのも俺だけっ、と」

「わっ……」

世界の胸に抱え込まれると世界からも石鹸のいい匂いがしてきて、お風呂でのぼせた訳でもないのにめまいがしてくる。

「ちょっと……離して」

「梅子さんいい匂い……襲いたくなる……」

「え……まさか……だけど……もしかして夜這いしにきたの?」

世界がクククッと笑う。

「何?そんな襲って欲しいの?」

「そ、そんなこと言ってないっ」

「俺はこのままベッドでもいいけど?いく?」

世界の色っぽい声にすぐに身体が熱くなってくる。案の定恥ずかしくて俯いた私を楽しむかのように世界の掌が私の頬に触れた。

「……ねぇ」
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