世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
(梅子さんが言わないってことは、ボスが口留めしてるってことだよな……または俺に言えない理由が梅子さんにあるか……)
俺は顎に右手を添え、名探偵さながらのポーズで湯飲み片手に給湯室へと角を曲がる。
「きゃっ……」
「わっ」
咄嗟に湯飲みを持つ手に力を込めると共に、バサバサッと紙が散らばる音がする。
「すいません」
「ごめんなさい」
(あっぶね……)
直ぐにぶつかった相手が慌ててしゃがみ込んで書類を拾い始めたのを見て、俺も湯飲みを置いて慌ててしゃがみ込んだ。ふわりと香水の香りが鼻をかすめる。
(ん?この香水……)
「……あ、れ……心奈?」
「え?あ……世界」
久しぶりに会った心奈はどこか疲れた顔をしていて、いつも欠かさずつけているネイルもつけておらず、髪も一つくくりにしていて一瞬心奈だと分からなかった。
「どした?疲れた顔してんな?」
「あ、うん……ちょっと最近忙しくて……」
「そっか頑張ってんな……あれ?」
俺が見覚えのある図面に手を伸ばそうとすると直ぐに心奈が拾いあげ、俺から隠すように裏向けた。
「それ、花田不動産との都市開発の図面だよな?なんで経理課の心奈が持ってんの?」
俺の声に心奈が二重瞼を大きく見開いた。そして俺が拾って手元に持っていた書類を雑に取り上げた。
「あ……ちょっと社長からの依頼で現場の予算算出してて」
「え?心奈に?」
それはおかしい。人件費関連は確かに経理課にあらかじめ予算として算出を依頼することもあるが現場が現場だ。こんな大きな現場を新入社員の心奈に任すことは極めて珍しく、本来なら経理課の課長クラス以上が担当するべき案件だ。
俺は顎に右手を添え、名探偵さながらのポーズで湯飲み片手に給湯室へと角を曲がる。
「きゃっ……」
「わっ」
咄嗟に湯飲みを持つ手に力を込めると共に、バサバサッと紙が散らばる音がする。
「すいません」
「ごめんなさい」
(あっぶね……)
直ぐにぶつかった相手が慌ててしゃがみ込んで書類を拾い始めたのを見て、俺も湯飲みを置いて慌ててしゃがみ込んだ。ふわりと香水の香りが鼻をかすめる。
(ん?この香水……)
「……あ、れ……心奈?」
「え?あ……世界」
久しぶりに会った心奈はどこか疲れた顔をしていて、いつも欠かさずつけているネイルもつけておらず、髪も一つくくりにしていて一瞬心奈だと分からなかった。
「どした?疲れた顔してんな?」
「あ、うん……ちょっと最近忙しくて……」
「そっか頑張ってんな……あれ?」
俺が見覚えのある図面に手を伸ばそうとすると直ぐに心奈が拾いあげ、俺から隠すように裏向けた。
「それ、花田不動産との都市開発の図面だよな?なんで経理課の心奈が持ってんの?」
俺の声に心奈が二重瞼を大きく見開いた。そして俺が拾って手元に持っていた書類を雑に取り上げた。
「あ……ちょっと社長からの依頼で現場の予算算出してて」
「え?心奈に?」
それはおかしい。人件費関連は確かに経理課にあらかじめ予算として算出を依頼することもあるが現場が現場だ。こんな大きな現場を新入社員の心奈に任すことは極めて珍しく、本来なら経理課の課長クラス以上が担当するべき案件だ。