世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「今日も疲れたな……っていまから接待か」

由紀恵の海外出張に合わせてなんとか依頼された見積を提出した私は、日々業務と並行しながら、隙間時間と残業時間に都市開発の見積もりを作成しているが全く終わりが見えない。

「さすがに……焦る……」

事務所の壁掛け時計を見れば、もう定時の十八時を回っている。震えたスマホの相手は殿村だ。

──『もう一軒得意先回ってから店に向かう。予定通り接待大丈夫か?』

私もすぐに返事をおくる。

『大丈夫、あとで店の前で』

文言を入力して殿村に送信した途端、また直ぐにスマホはメッセージを受信する。

──『梅子さん、接待おわったら会えない?やっぱりそろそろ二人きりで会いたい』

私は世界からの『会いたい』の文字を目で二度なぞった。

世界は大量の仕事に追われている私を気遣ってくれ、業務時間内は私の業務を軽減するためかなりの数の見積もりをこなし徹底的に私のフォローに入ってくれている。そしてプライベートでは、私の邪魔をしないよう二人で会うことを我慢すると話していた世界はその言葉通り、この二週間おとなしく待てしつづけてくれている。

「私だって……会いたいよ……」

でも世界と会う時間があるくらいなら今は見積作成に当てなければいけない。この都市開発の見積りが私と世界の交際継続にかかわる重大案件だから。

『ごめん、今日接待でおそくなるし帰ったら見積作成するから』

五分間たっぷり考えてから返事を送った私のスマホはすぐに秒で震える。

──『もう限界。添い寝するだけ』
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