世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
再び図面を広げると、私は目頭を押さえながら世界の顔を思い浮かべる。
(長らく待てし続けているあのワンコが……添い寝で終わるのかしら……?)
私は再び五分間熟考してから『会えるか分からないけど、帰ったら連絡するね』と送信するとスマホの電源を切った。そうでもしないと切り替えられない。
本当は今すぐにでも世界に会いたい。
私はパソコンの電源も落とすと。ジャケットを羽織った。
エレベーターに向かえば、ちょうど上の階から降りてきてゆっくり扉が開く。
「あ……」
私の発した小さな声に心奈の眉間に皺が寄った。そして心奈はさっとボタン側に身体を寄せると『開』のボタンを押す。
「ありがと……」
直ぐに扉はしめられエントランスに向って下降していく。心奈の鞄からは商品カタログは勿論、様々な資料が山盛りに入っていて、溢れた資料の何冊かは片腕に抱えている。
「なんですか?私が見積りに悪戦苦闘してるのそんなに面白いですか?」
「そんなんじゃないけど……」
手に持っている資料からはたくさんの付箋が飛び出していて、心奈が毎日残業しながら必死に見積を作成して姿が容易に想像できた。手元を見ればこの間までジェルネイルが施されていた指先は爪がギリギリまで切られていて、ジェルネイルどころかマニキュアすらしていない。
(本気……なんだ)
「見積のクオリティーはもしかしたら源課長の方が上回るかもしれないですけど、数字と経営に関しては私もプライドがあるので負けるつもりないですから」
「……私も全力で臨むから……」
そう私だってどうしても負けられない。負けるわけにはいかない。
心奈がこちらに向き直ると私の視線を捕まえる。
「もし、私が勝ったら、世界とはきっぱり別れてくださいね」
「……負けないから。世界くんとは別れない、別れられないから、勝つだけ考えてるから」
「ふ……恥ずかしげもなく良く言えますね。年考えたらどうですか?」
「もう年の差とか置かれてる立場とか考えるのやめたからっ、じゃあお疲れさまでした」
心奈を見ればすぐに心が折れそうになる。
若く令嬢であり由紀子からも世界の婚約者として認められている心奈が羨ましくて仕方ない。
扉が開くと同時に私はそう言い放つと心奈を振り返ることなく、急ぎ足で接待の行われる旅館へと向かった。
(長らく待てし続けているあのワンコが……添い寝で終わるのかしら……?)
私は再び五分間熟考してから『会えるか分からないけど、帰ったら連絡するね』と送信するとスマホの電源を切った。そうでもしないと切り替えられない。
本当は今すぐにでも世界に会いたい。
私はパソコンの電源も落とすと。ジャケットを羽織った。
エレベーターに向かえば、ちょうど上の階から降りてきてゆっくり扉が開く。
「あ……」
私の発した小さな声に心奈の眉間に皺が寄った。そして心奈はさっとボタン側に身体を寄せると『開』のボタンを押す。
「ありがと……」
直ぐに扉はしめられエントランスに向って下降していく。心奈の鞄からは商品カタログは勿論、様々な資料が山盛りに入っていて、溢れた資料の何冊かは片腕に抱えている。
「なんですか?私が見積りに悪戦苦闘してるのそんなに面白いですか?」
「そんなんじゃないけど……」
手に持っている資料からはたくさんの付箋が飛び出していて、心奈が毎日残業しながら必死に見積を作成して姿が容易に想像できた。手元を見ればこの間までジェルネイルが施されていた指先は爪がギリギリまで切られていて、ジェルネイルどころかマニキュアすらしていない。
(本気……なんだ)
「見積のクオリティーはもしかしたら源課長の方が上回るかもしれないですけど、数字と経営に関しては私もプライドがあるので負けるつもりないですから」
「……私も全力で臨むから……」
そう私だってどうしても負けられない。負けるわけにはいかない。
心奈がこちらに向き直ると私の視線を捕まえる。
「もし、私が勝ったら、世界とはきっぱり別れてくださいね」
「……負けないから。世界くんとは別れない、別れられないから、勝つだけ考えてるから」
「ふ……恥ずかしげもなく良く言えますね。年考えたらどうですか?」
「もう年の差とか置かれてる立場とか考えるのやめたからっ、じゃあお疲れさまでした」
心奈を見ればすぐに心が折れそうになる。
若く令嬢であり由紀子からも世界の婚約者として認められている心奈が羨ましくて仕方ない。
扉が開くと同時に私はそう言い放つと心奈を振り返ることなく、急ぎ足で接待の行われる旅館へと向かった。