世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
(やばい……足攣りそう……)
「ほー、殿村部長は施工にもお詳しいんですなぁ」
「いえ、橋本部長には知識、技術共に到底及びませんよ」
殿村の隣で橋本と呼ばれた恰幅の良い50代の男性がガハハと笑う。
TONTON株式会社と施工契約を結んでいる大手サブコンとの接待だが、私自身、お座敷での接待は久しぶりだ。
(もう二時間か、そろそろ終わるかしら……)
こっそり足を崩そうか否か迷っているうちに既に爪先まで感覚がない。その時隣から小さな声が聞こえてきた。
「……源課長はこの後ご予定は?」
「え?」
見れば隣に座っている橋本の部下で山中という40代前半と思われる課長が私に顔を寄せた。
「えっと……あの何か見積りの件で何かご要望でも?」
すぐに山中が口元を緩めながら耳元で囁いてくる。
「源課長、独身でしょ?この後ホテルで一杯どうかな?もちろん仕事の話もしたいし」
山中が話すたび日本酒とタバコの混ざったにおいに吐き気がしてくる。
(ホテルって……どうしよう……)
チラッと殿村を見るが、橋本と焼酎片手に談笑中だ。私はさりげなく距離をとりながら、無理やり笑顔を貼り付けた。
「……申し訳ありません、業務以外で他社管理職の方とお会いするのは会社で禁じられておりますので」
「硬いこと言わないでよ、慣れてるでしょ?そうじゃなきゃTONTONで女課長なんて、なれるわけないんだからさー」
一瞬で顔が引き攣る。たしかに女の身でTONTONで管理職についているのは私だけだ。でもそれは見積の正確さと受注率で正当に評価されたものだし、自分自身の努力の積み重ねと結果だとも思っている。
「あの……困ります」
「いいね、一度断ってからってパターンかな?」
女が管理職につくには当然身体を使っていると考える思考回路に嫌悪感を通り越して軽蔑してしまう。
「あんまり俺のこと無下にしない方がいいよ?俺、専務の娘と付き合ってて、この都市開発の件は俺の意見でかなり左右されるから。専務の娘とはお見合いみたいなもんでね。源課長みたいな綺麗な女性と結婚前に一度くらいお相手願うのも悪くないなと」
(ふざけないでよっ……)
私のきているブラウスの上から胸元をニタニタと見ながら山中が、日本酒を徳利に注ぐとまた流し込む。
「これ、ちょっと見てくれます?……」
山中がさも仕事の話かのようにスマホを取り出すと、私に向けて自信の電話番号を表示した。
「山中課長、大変申し訳ありませんが……」
──え?
お尻に触れたソレが山中の掌と気づき鳥肌がたつ。
思わず身体が小さく跳ねた。ドクンと心臓が嫌な音を立てながら呼吸が浅くなる。
随分前のあのことが一瞬でフラッシュバックしてくる。
「あれ?大丈夫?」
山中は私のお尻に当てた掌を上下し始めた。
(……こわい……誰か……)
「ほー、殿村部長は施工にもお詳しいんですなぁ」
「いえ、橋本部長には知識、技術共に到底及びませんよ」
殿村の隣で橋本と呼ばれた恰幅の良い50代の男性がガハハと笑う。
TONTON株式会社と施工契約を結んでいる大手サブコンとの接待だが、私自身、お座敷での接待は久しぶりだ。
(もう二時間か、そろそろ終わるかしら……)
こっそり足を崩そうか否か迷っているうちに既に爪先まで感覚がない。その時隣から小さな声が聞こえてきた。
「……源課長はこの後ご予定は?」
「え?」
見れば隣に座っている橋本の部下で山中という40代前半と思われる課長が私に顔を寄せた。
「えっと……あの何か見積りの件で何かご要望でも?」
すぐに山中が口元を緩めながら耳元で囁いてくる。
「源課長、独身でしょ?この後ホテルで一杯どうかな?もちろん仕事の話もしたいし」
山中が話すたび日本酒とタバコの混ざったにおいに吐き気がしてくる。
(ホテルって……どうしよう……)
チラッと殿村を見るが、橋本と焼酎片手に談笑中だ。私はさりげなく距離をとりながら、無理やり笑顔を貼り付けた。
「……申し訳ありません、業務以外で他社管理職の方とお会いするのは会社で禁じられておりますので」
「硬いこと言わないでよ、慣れてるでしょ?そうじゃなきゃTONTONで女課長なんて、なれるわけないんだからさー」
一瞬で顔が引き攣る。たしかに女の身でTONTONで管理職についているのは私だけだ。でもそれは見積の正確さと受注率で正当に評価されたものだし、自分自身の努力の積み重ねと結果だとも思っている。
「あの……困ります」
「いいね、一度断ってからってパターンかな?」
女が管理職につくには当然身体を使っていると考える思考回路に嫌悪感を通り越して軽蔑してしまう。
「あんまり俺のこと無下にしない方がいいよ?俺、専務の娘と付き合ってて、この都市開発の件は俺の意見でかなり左右されるから。専務の娘とはお見合いみたいなもんでね。源課長みたいな綺麗な女性と結婚前に一度くらいお相手願うのも悪くないなと」
(ふざけないでよっ……)
私のきているブラウスの上から胸元をニタニタと見ながら山中が、日本酒を徳利に注ぐとまた流し込む。
「これ、ちょっと見てくれます?……」
山中がさも仕事の話かのようにスマホを取り出すと、私に向けて自信の電話番号を表示した。
「山中課長、大変申し訳ありませんが……」
──え?
お尻に触れたソレが山中の掌と気づき鳥肌がたつ。
思わず身体が小さく跳ねた。ドクンと心臓が嫌な音を立てながら呼吸が浅くなる。
随分前のあのことが一瞬でフラッシュバックしてくる。
「あれ?大丈夫?」
山中は私のお尻に当てた掌を上下し始めた。
(……こわい……誰か……)