世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
玄関扉に背を預けたまま、首だけこちらに向けた世界の瞳と視線がかち合った。

咄嗟に掌を解こうとした私の掌を殿村が握りなおすと、真っ直ぐに世界に向かって歩いていく。

「ちょっと……殿村っ」

「多分アイツ勘違いしてるから、ちゃんと僕から話す」

世界の玄関前までいくより先に、世界が殿村に駆け寄ると乱暴に胸元を掴み上げた。

「ふざけんなよっ!誰の女だと思ってんだよ!」

「やめてっ、世界くん!」

世界が視線だけで私を睨んだ。

「庇うってことは梅子さん、コイツ家にあげるつもりだった?」

「違う!殿村は私を心配して送ってくれただけで」

「マジで鈍いよな!男が女送ってそのまま帰るつもりなワケねーだろ!」

殿村は世界に胸元を掴み上げられたまま、口元を緩めた。

「どうしようもないな……本当にガキだな。梅子がそんなに信用できないか?」

「は?俺はアンタに聞いてんだよっ!接待のあとに送るとか言って梅子さん家に上がり込むつもりだったんだろ!」

殿村は私からようやく掌を離すと世界と視線を合わせた。

「お前と違って僕は梅子を困らせたくもないし、泣かせたくもないんでね。そもそも僕がここまで送ったのは接待で……梅子がこわい思いをしたから……震えてたから……手を握って玄関先まで送って帰るつもりだった」

その言葉に世界の顔色が変わるのがわかった。
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