世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「は?何だって?!お前がついてて何で梅子さんにこわい思いさせてんだよっ!それ、お前のせいだろ!」

殿村を掴む世界の掌に力がこもるのを見ていられなくなった私は、世界の腕にしがみついた。

「殿村のせいじゃない!もう殿村を離してっ、お願いだから!」

「黙ってろよ!いま俺コイツと話してんだよっ!」

世界の見たことない冷たい瞳と怒鳴り声に体が硬直する。殿村が世界を睨むと、世界の着ているスウェットの胸元をぐっと掴んだ。

「もっと大人になれよっ!梅子は今誰と付き合ってんだ?!そんなんだから梅子がお前との交際を悩むんだよ!不安にさせんな!こんな顔させんな!」

「んだと?人の女に散々ちょっかい出しといて俺のせいかよ!歯食いしばれよ!」

世界が空いている左手の拳を振り上げた。

「やめて!」

私は世界の振り上げた左手から殿村をまもるように咄嗟に覆いかぶさった。

「……は?何だよ……何庇ってんの?」

振り返れば、世界が怒りと悲しみに満ちた瞳で私を見下ろしている。

「世界くん……の誤解だから……」

「何が?接待のあとお手て繋いで帰ってくんのが何の誤解?」

「ちゃんと……話すから」

声が震える。
殿村がそっと私の肩に手を置いた。

「……梅子、大丈夫か?」

私は殿村から肩に置かれた掌を返すと殿村を見上げた。


「ごめん……殿村、御堂くんと話すから帰って……」

「……分かった。何かあったら電話して。すぐ出るから」

頷いた私に背を向けた殿村は何度か振り返りながらもエレベーターに乗りエントランスへと降りていった。急に静かになった空間と黙りこんでいる世界に動悸がしてくる。

(ちゃんと……話せば世界くんだって)
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