世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「……ねぇ」

その低い声に顔を上げればすぐに唇が塞がれる。

「ンンッ……や……待ってっ」

思わず突き飛ばせば、世界が苛立ちを隠そうともせずに私を見下ろした。

「何が待ってだよ!散々俺は待たせといて、アイツには抱かれるつもりだったとか?!」

「そんな訳っ……痛っ」

世界が私の手首を掴み上げると、そのまま玄関扉を開けて部屋の中へと引き摺り込んでいく。世界が私を連れて向かっているのは寝室だ。強く手を引かれたその勢いでパンプスが玄関と廊下に転がる。私は大きな声を出した。

「離してっ!世界くん話聞いてよ!殿村の言ってたこと本当だから!……きゃっ」

そのままの勢いで乱暴にベッドに押し倒されると、すぐに世界が跨り私の顔の両側に掌をついた。

「言えよ。何がほんと?」

「だから……接待でこわい思いして……それで……殿村が心配して送ってきてくれて」

「何で?」

「え?」

世界が私の左手の手首を掴むと頭上に縫い付けた。

「何で俺に言わねぇんだよっ!?梅子さんは誰と付き合ってんのっ!」

そのまま世界の左手が私のブラウスのボタンを雑に外していく。

「……やめてっ」

「うるせぇよっ!何度言葉で言ってもわからないなら、誰の女か身体でわからせてやるって言ってんだよ!」

世界はあっという間にブラウスのボタンを腹部まで外すとブラのホックを外して放り投げた。そして私の身体と唇に噛み付くようなキスを繰り返す。乱暴で痛みしか伴わない怒りに満ちたキスだ。

「ンッ……やめっ……痛っ……」

「やめない。梅子さんがわかるまで」

そう言うと世界はスカートの中に手を伸ばしストッキングをビリビリと破っていく。

「や……やめてっ!こんなのっ……」

「こんなの?」

世界が鼻で笑うと私の顎を掴み上げた。かち合った切長の瞳には温度が感じられない。見えるのは怒りだけだ。世界の瞳がこんなにこわいと思ったのは初めてかもしれない。

空いている右手で世界から離れようと身を捩るが、世界の膝が私の両膝に割り入ってきて体がビクンと跳ねた。

「……世界くん……こわいっ……やめてっ……」

「黙って抱かせろよっ!」
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