世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
玄関扉が閉まり、隣の玄関扉の開く音を聞きながら俺はその場に座り込んだ。

「俺……何……やってんだよ」


頭を抱えればすぐに心の中は後悔と罪悪感に染まり、梅子の涙と怯えた顔が何度も浮かんで消える。

「……あんなこと……」

俺は今日が梅子の接待の日だと知って為、何度も梅子にLINEを送ったがいつまでたっても既読にならなかった。居ても立っても居られなくなった俺は、梅子に電話をかけたが電源が切られていて繋がらず、心配のあまり梅子の帰りを玄関扉前で三時間ほど待っていた。

「ガキだよな……くそっ……」

梅子のことを信用していない訳じゃない。どちらかと問われたら大いに信用してる。梅子は俺と付き合いながら、他の男と交際するつもりもなければ自宅にあげるなんてする訳ないと分かっていた。それなのに俺は殿村と梅子のツーショットがあまりにもお似合いすぎて、どうしても自分を制御できなかった。

「……こんなガキみたいな独占欲と嫉妬……迷惑だよな。何で……もっと大人になれねぇんだろ……」

殿村と梅子が手を繋いで帰ってきたとしても、笑っておかえりと梅子を出迎え、殿村にも送ってくれて有難う、と大人な対応ができたらどんなに良かっただろうか。

すこし冷静になれば、あぁすればよかったと後悔クセにいつも余裕のない俺は、結局梅子を不安にさせて挙句泣かせてばかりだ。

「震えて……泣いてたな……」

俺は床の上に転がっているスマホを拾い上げて梅子の名前を浮かべたが、そのスマホをまた床に放り投げた。

(……あんなことをしておいて、どのツラ下げて電話すんだよ)

俺は左の拳を握ると力一杯床に叩きつけた。



──プルルルップルルルッ


「梅子さんっ……?」

俺は慌てて四つん這いでスマホを拾うと、画面も見ずにスワイプした。
< 183 / 291 >

この作品をシェア

pagetop