世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「どうって……どうもこうも変わり……ないわよ」

嘘はついていない。はっきり言ってこの一週間近く世界とは連絡すら取りあっていない。まさかとはおもうがこのまま自然消滅だけは避けたい。もう一度ちゃんと話したい。

「源課長は世界のどこが好きなんですかー?」

「え?それは……えっと……」

動揺する私をみながら心奈がクスっと笑った。

「あ、源課長って意外と恋愛経験少ない感じですかー?好きな人の好きなとこいうだけなのに顔赤いですよー?」

「あなたに関係ないでしょっ、ほっといてよ」

「世界ってなんでもストレートですよね。仕事の姿勢も真っすぐだし、恋愛においては、ちゃんと好きって言葉に出してくれるしー、なんでも素直に表現してくれるとこが私は大好きなんですー」

胸がズキンと痛んだ。心奈のようにちゃんと想いを口に出して、素直に頼ったり甘えたりできればどんなにいいだろう。もしそうできていたなら、今私と世界の関係はこんなふうにギクシャクしていなかったかもしれない。私は後悔を飲み込むようにわずかに残っていたコーヒーを飲み干した。

「あ、私もう鞄取って帰るだけなんで紙コップ捨てときますよ?」

「え、あ。ありがと」

心奈は私から紙コップを受け取ると世界のデスクから立ち上がった。

「どういたしましてーお互いどんな結果になっても恨みっこなしですよー」

人差し指をたてて、にこりと微笑んだ心奈はやっぱりキラキラしていて魅力的な女性だ。世界と並べば絵になるな、なんてどこか卑屈に思ってしまう。
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