世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「心奈さんもお疲れ様、帰りきをつけてね」

私は無理やり唇を持ち上げると笑顔を返した。

「はい。有難うございますー。ではこれでー」

心奈が見積課から出ていくのは確認してから、私はまた一つため息を吐きだした。

「……自信ありそうだったな……」

心奈の表情を見れば、完成間近だと思っていた手元の見積りも不備だらけのような気がして不安になる。たった一個の小さな不安は、すぐにしんとした一人きりの部屋で増殖して心細くて堪らなくなる。

(声が聴きたい……今だけでいいから……)

私はスマホを取り出すと世界の名前を浮かべる。もう何度浮かべただろう。

(ん?……あれ?)

ふと視界がぼやけた気がして私は目を擦った。

「あれ?……疲れてるのかしら……」

視線がうまく定まらず、頭がくらくらとしてきて瞼がやけに重い。軽く頭を振っても視界はどんどん狭くなっていく。


「……世界……くん……」

そして急激に私の意識は暗闇の中に落っこちていった。
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