世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「悪いけど、俺もう一回会いたい女いるから無理。諦めろ」
心奈と顔の距離を取るために、額を人差し指でツンと弾いてやれば心奈が頬を染めた。
「素敵……やっぱ世界しかやだー」
(まじか、逆効果かよ)
「はぁ……あんな、お前マジで馬鹿だろ。俺なんかより、女から見ればさっきの第一エリアの殿村とかいうヤツのが、よっぽど素敵で色気のある大人の男じゃねぇの?」
(俺はあぁいう、なんでももってるヤツは心底嫌いなタイプだけどな)
心奈が天井を見上げながら人差し指を顎に添えた。
「確かにカッコいいし、あの年で部長とかスペックも間違いないし、背も世界より少し高いし好物件だとは思うけどね。あ、殿村部長って殿村の殿からとって『お殿さま』って呼ばれてるらしいよー」
「は? なんだそれ」
「更衣室で制服に着替えたときに知らない先輩方が話してたの聞いたの」
「……お殿さまね……ますます面白くねぇ……」
思わず眉間に皺を寄せた俺を見ながら心奈が笑った。
「ふふっ……拗ねた世界もかっこいいー」
「は?……そう。そりゃどうも」
俺は心奈の相手をするのが面倒くさくなって長机に肘を突いた。
その瞬間研修会場の扉が開き、スーツ姿の女が入って来る。その女の姿に俺は一瞬で釘付けになった。
──嘘だろっ!
思わず俺の肘から顎がずり落ちていた。慌てて体勢を整えると俺はその女を凝視する。朝は下ろしていた長い黒髪を一つに束ねているが間違いない。
(間違いねぇ、五円玉女だ!まさか同じ会社とは……)
女はホワイトボードに黒のマジックでさらさらと所属と名前を書いてルビを振った。
──『TONTON株式会社 見積課 源梅子』
その文字を見た瞬間、俺の思考はあっという間に停止する。
(え?……う、めこ……そんなまさか……)
俺は昔の記憶を瞬時に辿っていく。大きな黒い瞳に長い黒い髪。その名前の通り昔話にでてくるお姫さまみたいな綺麗な顔だった。
心奈と顔の距離を取るために、額を人差し指でツンと弾いてやれば心奈が頬を染めた。
「素敵……やっぱ世界しかやだー」
(まじか、逆効果かよ)
「はぁ……あんな、お前マジで馬鹿だろ。俺なんかより、女から見ればさっきの第一エリアの殿村とかいうヤツのが、よっぽど素敵で色気のある大人の男じゃねぇの?」
(俺はあぁいう、なんでももってるヤツは心底嫌いなタイプだけどな)
心奈が天井を見上げながら人差し指を顎に添えた。
「確かにカッコいいし、あの年で部長とかスペックも間違いないし、背も世界より少し高いし好物件だとは思うけどね。あ、殿村部長って殿村の殿からとって『お殿さま』って呼ばれてるらしいよー」
「は? なんだそれ」
「更衣室で制服に着替えたときに知らない先輩方が話してたの聞いたの」
「……お殿さまね……ますます面白くねぇ……」
思わず眉間に皺を寄せた俺を見ながら心奈が笑った。
「ふふっ……拗ねた世界もかっこいいー」
「は?……そう。そりゃどうも」
俺は心奈の相手をするのが面倒くさくなって長机に肘を突いた。
その瞬間研修会場の扉が開き、スーツ姿の女が入って来る。その女の姿に俺は一瞬で釘付けになった。
──嘘だろっ!
思わず俺の肘から顎がずり落ちていた。慌てて体勢を整えると俺はその女を凝視する。朝は下ろしていた長い黒髪を一つに束ねているが間違いない。
(間違いねぇ、五円玉女だ!まさか同じ会社とは……)
女はホワイトボードに黒のマジックでさらさらと所属と名前を書いてルビを振った。
──『TONTON株式会社 見積課 源梅子』
その文字を見た瞬間、俺の思考はあっという間に停止する。
(え?……う、めこ……そんなまさか……)
俺は昔の記憶を瞬時に辿っていく。大きな黒い瞳に長い黒い髪。その名前の通り昔話にでてくるお姫さまみたいな綺麗な顔だった。