世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
──『舌打ちすんなっ!ガキンチョめ!』
俺の頭の中にあの日の声が聴こえてくる。そうだ、なんで忘れてたんだろう。《《あの日》》も梅子は俺をガキンチョと呼んでいた。間違いない。俺がもう一度会いたいと思っていたお姫さまみたいな名前の女。
(まちがいない!)
「梅子だっ!」
両手で机を叩きながら思わず名前を呼んで立ち上がった俺に、九十九人の新入社員の視線が一斉に集まる。
「えっ!?」
今度は梅子が大きな黒目を見開いて俺を指さした。
「え?……あ、朝の……が……ガキンチョ?」
俺を見たまま、梅子が何か言いかけたが、すぐに大きく深呼吸すると名簿を見ながら静かにマイクを口元に当てた。
「御堂君、着席してください」
「あ、すいません……」
俺も黙って着席する。
心奈が小さく「世界、知り合い?」と囁いてくるが今はそんなことどうでもいい。俺の鼓動はあっという間に外からでも分かるほどの音を立てていた。
(嘘だろ……まさか……梅子に……もう一回会えるなんて)
俺はメモもそこそこに目の前の五円玉女改め、もう一度会いたいと思っていた俺の初恋の梅子に思わず見惚れていた。スラックスに中の五円玉を手繰り寄せて掌に握る。
小学六年生だった俺は、あの日梅子に恋をした。
生まれて初めての恋だった。
そしてその時約束したんだ。
もし俺が梅子との約束を守ってもう一度会えたなら……。
(五円玉はマジでご縁を引き寄せんだな)
俺は十年ぶりに再会した梅子を見つめながらゆっくりと口角を上げた。
俺の頭の中にあの日の声が聴こえてくる。そうだ、なんで忘れてたんだろう。《《あの日》》も梅子は俺をガキンチョと呼んでいた。間違いない。俺がもう一度会いたいと思っていたお姫さまみたいな名前の女。
(まちがいない!)
「梅子だっ!」
両手で机を叩きながら思わず名前を呼んで立ち上がった俺に、九十九人の新入社員の視線が一斉に集まる。
「えっ!?」
今度は梅子が大きな黒目を見開いて俺を指さした。
「え?……あ、朝の……が……ガキンチョ?」
俺を見たまま、梅子が何か言いかけたが、すぐに大きく深呼吸すると名簿を見ながら静かにマイクを口元に当てた。
「御堂君、着席してください」
「あ、すいません……」
俺も黙って着席する。
心奈が小さく「世界、知り合い?」と囁いてくるが今はそんなことどうでもいい。俺の鼓動はあっという間に外からでも分かるほどの音を立てていた。
(嘘だろ……まさか……梅子に……もう一回会えるなんて)
俺はメモもそこそこに目の前の五円玉女改め、もう一度会いたいと思っていた俺の初恋の梅子に思わず見惚れていた。スラックスに中の五円玉を手繰り寄せて掌に握る。
小学六年生だった俺は、あの日梅子に恋をした。
生まれて初めての恋だった。
そしてその時約束したんだ。
もし俺が梅子との約束を守ってもう一度会えたなら……。
(五円玉はマジでご縁を引き寄せんだな)
俺は十年ぶりに再会した梅子を見つめながらゆっくりと口角を上げた。