世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
その時、事務所の扉が開くと殿村が顔を出した。
「あれ?殿村?」
私の声に明菜も首を捻る。
「あれ?お殿さま?」
長身の殿村に付き添われて、すぐに長身の男が入って来る。
「わ、嘘……すっごいイケメン……」
明菜が食い入るように殿村の後ろをじっと見つめている。そして見積課からすぐに歓喜の悲鳴があがる。当然だ、見積課には女子社員しか在籍していない。あちらこちらから聞こえてくる悲鳴をものともせずに黒髪を揺らすと、形の良い唇を持ち上げながらこちらに向かって真っすぐ歩いてくる。
明菜があわてて部下たちに業務に集中するよう注意しにいった。
「梅子、新入社員くんお連れしたよ」
「人事部の誰かが連れてくるのかと思ってたけど、殿村が連れてきてくれたんだ、ありがと」
「あぁ。ちょっと社長と話したついでにね、彼の見積課への配属が急遽決まったらしいから、驚いただろ?」
「まあね」
殿村が視線だけで合図すると、男が生真面目に一礼した。
「源課長、今朝は大変失礼しました。今日からお世話になります。社長の甥の御堂世界です」
「えっ?いま……なんて?」
「あ、梅子知らなかった?彼が社長の甥っ子さんだよ」
「噓でしょ!?」
私は思わず席から立ち上がっていた。世界は涼しい顔で私を見ると唇を引き上げた。
「あなたが……陶山社長の甥っ子?」
「はい。経営に活かしたくて見積課を志願致しました。源課長どうぞ宜しくお願い致します」
世界は斜め四十五度きっちりにお辞儀をしてみせる。
(なんなのこの子……朝とは打って変わって育ちの良さ全開のイイコちゃんじゃない、ホントに同一人物?)
「宜しく……」
「あと、源課長の朝のお忘れ物です」
世界はスラックスから五円玉を取り出すと、私の机にそっとおいた。
「あれ?殿村?」
私の声に明菜も首を捻る。
「あれ?お殿さま?」
長身の殿村に付き添われて、すぐに長身の男が入って来る。
「わ、嘘……すっごいイケメン……」
明菜が食い入るように殿村の後ろをじっと見つめている。そして見積課からすぐに歓喜の悲鳴があがる。当然だ、見積課には女子社員しか在籍していない。あちらこちらから聞こえてくる悲鳴をものともせずに黒髪を揺らすと、形の良い唇を持ち上げながらこちらに向かって真っすぐ歩いてくる。
明菜があわてて部下たちに業務に集中するよう注意しにいった。
「梅子、新入社員くんお連れしたよ」
「人事部の誰かが連れてくるのかと思ってたけど、殿村が連れてきてくれたんだ、ありがと」
「あぁ。ちょっと社長と話したついでにね、彼の見積課への配属が急遽決まったらしいから、驚いただろ?」
「まあね」
殿村が視線だけで合図すると、男が生真面目に一礼した。
「源課長、今朝は大変失礼しました。今日からお世話になります。社長の甥の御堂世界です」
「えっ?いま……なんて?」
「あ、梅子知らなかった?彼が社長の甥っ子さんだよ」
「噓でしょ!?」
私は思わず席から立ち上がっていた。世界は涼しい顔で私を見ると唇を引き上げた。
「あなたが……陶山社長の甥っ子?」
「はい。経営に活かしたくて見積課を志願致しました。源課長どうぞ宜しくお願い致します」
世界は斜め四十五度きっちりにお辞儀をしてみせる。
(なんなのこの子……朝とは打って変わって育ちの良さ全開のイイコちゃんじゃない、ホントに同一人物?)
「宜しく……」
「あと、源課長の朝のお忘れ物です」
世界はスラックスから五円玉を取り出すと、私の机にそっとおいた。