世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
──コンコンコン

「どうぞ。入りなさい」

由紀恵の声が聞こえてから俺は社長室へと入る。

「お呼びですか?ボス」

直ぐに由紀恵がクスッと笑った。

「上手くやったわね」

「え?」

「先ほど花田社長からお電話いただいてね。この間の源課長の見積りをもとに花田不動産と今度正式に契約を交わすことになりそうなの。ついでに心奈さんが、あなたとの婚約破棄したいと社長におっしゃったそうよ。花田社長からの伝言でわがままな娘が、世界に迷惑かけて申し訳なかったって平謝りされたわ」

(心奈……)

由紀恵が眉を持ち上げるのを見ながら、俺はゆっくりと口を開いた。

「てことは……梅子さんとの交際及び婚約認めてくれるってことだよな?」

「そうね、私約束は守るから。好きになさい」

「有難うございます」

「ただ……続くかしらね?」

「は?どういう意味だよ」

由紀恵が足を組みなおしながらデスクから封筒を取り出し、俺に向けて差し出した。

すぐに中身を取り出せば、インテリア雑誌と書類、そして賞状がでてくる。

「え……これ……」

「おめでとう世界。あなたが在学中に応募していたイタリアの家具デザインコンテストで新人賞受賞したそうよ。相手はあなたが引っ越したこと知らなかったから、あなた宛てに何度も手紙を出していたみたいだけど音沙汰なしで、私のとこに連絡がきたってわけ」

イタリアのアンティーク家具の素材はガラス、大理石といった自然資材を使用し耐久性に優れている。またイタリア人の良いものを使い続け、痛めば捨てるのではなく修復してまた使い続けるものを大切にする精神は、日本人である俺の中にも通ずるものがあり、いつかTONTONの陶器を使用したインテリア家具をデザインできたらと在学中に力試しに応募していたことをすっかり忘れていた。

俺は書類に目を通していく。そしてある一文に視線が止まる。
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