世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
自分で聞いておいて心臓が駆け足になる。
ほんの少しだけ梅子の言葉を期待する。

梅子が俺の方を振り返って、じっと見つめた。

「どう、したの?何かあった?仕事……辞めて、なんて……世界くんらしくないっていうか……びっくりしたというか……」

(俺らしくないか……だよな)

梅子にとって今の仕事がかけがえのないものだと勿論理解もしているし、梅子が俺と結婚したとしても仕事を辞めるつもりがないことも分かっていた。

どちらかといえば、誇りをもって好きな仕事を日々生き生きとしている梅子が俺は好きだ。


「ごめん、ガキみたいな質問。忘れて」

「え?世界、くん?」

俺は心配そうに俺を見つめている梅子の濡れた髪をすくように撫でると唇を落とした。

そしてそのまま梅子を抱きしめ直した。

「……好きだよ、俺のそばから離れないで」

もう離れるなんてどうしたってできない。きっと見えない鎖で縛られてるのは俺の方だ。梅子がいなきゃ息もできないほどに、梅子に溺れてる。

──梅子さえいればもう何にもいらないから。
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