世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
最近、心ここにあらずのぼんやりとした世界の様子とさっき浴室で世界から突然聞かれた、仕事を辞めれるかという質問の意味がつながっていく。

「回答期限が月曜……出発は一週間後……」

私は気づけば口元に掌を当てていた。

以前世界が、いつかTONTONの陶器を使用したインテリア事業を立ち上げたいと目をキラキラさせながら話してくれたことを思い出す。

そんな世界がこの話を今現在まで私にしないということは、世界はこの話を辞退するつもりだということだ。それはこの打診に決して魅力感じていないからじゃない。

私と離れたくないから。
そんなの私だって離れたくない。
いつも一緒に居たい。

三年なんて気が遠くなるような期間だ。とても耐えられない。きっと寂しくてどうにかなってしまう。

「……世界くん……」

私は世界の名前を小さく呼ぶとしばらく丸く浮かんだ月をじっと眺めた。この書類を見なかったことにすればずっと世界と居られる。でも私のせいで世界がこの話を辞退するつもりだということを知ったからには、もう知らないふりなどとてもできない。

私のせいでこんな凄いチャンスを無駄にしてほしくもなければ、夢を諦めて欲しくない。

──世界の夢はもう私の夢でもあるのだから。

私は気づかれないようにそっと書類を仕舞うと、ベッドの中の世界の胸元に顔をうずめるようにしてぎゅっと瞳を閉じた。
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