世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「これ、知ってるでしょう?色違いだけれど……あなたが使ってるのとおそろいなのよ」
私は訳が分からず混乱する。
由紀恵が湯飲みの裏側の底を見せると私にそっと手渡した。
見れば、『由紀』と名前が入っている。間違いない、色味は違うが螺旋模様と釉薬の混ざり方が私が使っている正勝の湯呑みと酷似している。
「もう……随分前、私ね、源正勝さんとお付き合いさせて頂いてたの」
「えっ!社長とうちの父が、ですか?」
「えぇ、大学時代の先輩後輩の関係から、いつの間にかお付き合いさせていただくことになって……娘のあなたにこんなこというのはどうかと思うけど……真っすぐで誠実で優しくて、とても好きだったわ。あの人以外生涯好きになれる人なんて現れなかった。本当に溺れたわ……仕事なんてどうでもいいと思ってしまうほどに」
「そんな……こと」
正勝と恋仲だったことにも驚いたが、仕事一筋のイメージしかない由紀恵から仕事などどうでもいいという言葉にドキリとした。
「なに?仕事人間の私のイメージからしたら意外かしら?」
「あ……その……どちらかといえば……意外かなと……」
「正直ね。そう、私も若い時は恋愛至上主義だったのよ。いつからかしらね、TONTONのトップとして自分のすべてをこの会社に捧げるようになったのは」
私は先日病室で桜子から聞いた話を思い出す。桜子とお見合いする前に正勝には好きな人がいたと話していたが恐らくその好きな人が由紀恵だったということだ。
「あと……こう見えて、あなたと世界のこと密かに応援してたのよ」
「えっ?」
思いがけない由紀恵の言葉に私は目を丸くする。
「ふふ……なんだか私と正勝さんを見てるみたいでね……正勝さんもいつもTONTONの社長である私に引け目を感じていて、いつも自分よりも私の気持ちを優先してくれて……三つ年下の私は甘えてばかりだった……交際期間が長くてね、私は結婚するつもりったけれど、社長に就任する前、今の世界と同じで二年間、ロスへマーケティングを学びに留学する機会があって……正勝さんからは二年間も待てないって言われて、こっぴどく振られちゃったのよ」
由紀恵は寂しそうに笑うと私から湯飲みを受け取りタバコに火を点けた。
私は訳が分からず混乱する。
由紀恵が湯飲みの裏側の底を見せると私にそっと手渡した。
見れば、『由紀』と名前が入っている。間違いない、色味は違うが螺旋模様と釉薬の混ざり方が私が使っている正勝の湯呑みと酷似している。
「もう……随分前、私ね、源正勝さんとお付き合いさせて頂いてたの」
「えっ!社長とうちの父が、ですか?」
「えぇ、大学時代の先輩後輩の関係から、いつの間にかお付き合いさせていただくことになって……娘のあなたにこんなこというのはどうかと思うけど……真っすぐで誠実で優しくて、とても好きだったわ。あの人以外生涯好きになれる人なんて現れなかった。本当に溺れたわ……仕事なんてどうでもいいと思ってしまうほどに」
「そんな……こと」
正勝と恋仲だったことにも驚いたが、仕事一筋のイメージしかない由紀恵から仕事などどうでもいいという言葉にドキリとした。
「なに?仕事人間の私のイメージからしたら意外かしら?」
「あ……その……どちらかといえば……意外かなと……」
「正直ね。そう、私も若い時は恋愛至上主義だったのよ。いつからかしらね、TONTONのトップとして自分のすべてをこの会社に捧げるようになったのは」
私は先日病室で桜子から聞いた話を思い出す。桜子とお見合いする前に正勝には好きな人がいたと話していたが恐らくその好きな人が由紀恵だったということだ。
「あと……こう見えて、あなたと世界のこと密かに応援してたのよ」
「えっ?」
思いがけない由紀恵の言葉に私は目を丸くする。
「ふふ……なんだか私と正勝さんを見てるみたいでね……正勝さんもいつもTONTONの社長である私に引け目を感じていて、いつも自分よりも私の気持ちを優先してくれて……三つ年下の私は甘えてばかりだった……交際期間が長くてね、私は結婚するつもりったけれど、社長に就任する前、今の世界と同じで二年間、ロスへマーケティングを学びに留学する機会があって……正勝さんからは二年間も待てないって言われて、こっぴどく振られちゃったのよ」
由紀恵は寂しそうに笑うと私から湯飲みを受け取りタバコに火を点けた。