世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「は?なんだよそれ!絶対嫌だ!」

「聞いて?世界くん言ってたよね?オムライス食べながら話してくれたでしょ?いつかTONTONの新たな主力商品として陶器を使ったインテリアを作りたいって、夢だって言ってたじゃない……私は世界くんの夢を諦めてまで……私と一緒に居て欲しくない」

目頭が熱くなる。
本当は少し違う。

夢を実現してほしいけれど私の傍にもいて欲しい。今みたいに手を伸ばせばすぐに触れられる距離で私だけをいつも見ていて欲しい。でも両方選ぶのは難しいのが分かっているから。

「噓つきはどっち?そんな泣きそうな顔してる梅子さんおいて俺はイタリアなんか絶対行かない」

「やめてよ……困らせないで」

「困らせてんのどっちだよ。俺は梅子さんより大事なものないよ……それに俺だって正直悩んだんだ。こんな機会多分二度とないから……でも三年っていう時間を梅子さん一人にするなんてどうしてもできない……俺は梅子さんにいつだって傍にいて欲しいから」

やっぱり滲んだ視界に世界が立ち上がると私の隣に座りなおすと直ぐに抱きしめた。

「ごめ……泣くつもりなかったの……困らせるから……」 

「泣かせてんの俺だし。ねぇ……梅子さん」

見上げれば私の瞳から世界が涙を掬う。

「……仕事辞めて俺と結婚しよ?一緒に……イタリア来てよ?」

「……私……」

世界が私の頬にそっと触れた。 


「はっきり言うよ。俺の為に仕事辞めて欲しい。また三年後復職していいから……」 

私は首を振っていた。ほとんど無意識だったと思う。

「いまの仕事……ほんとに大好きなの……私の作った見積書の先に誰かの笑顔のつながってるから。そんな笑顔の橋渡しの一端を担えてることに誇りも持ってる……ごめんね……一緒にはいけな……」

「じゃあ俺も行かない。大体ボスに断りの連絡入れてもらったし」

「社長はお断りの連絡してないよ」

「え?梅子さん?」

「私から社長に言って話はそのまま進めてもらってるし、チケットも預かってる」

「ちょっと、なんだよそれ!勝手に決めんなよっ」

世界が指先がぐっと肩に食い込むのが分かった。
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