世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
ギシッギシッと規則的にベッドが沈んでは世界の熱を全身に纏ったまま、私は快楽の階段を登っては降りてを繰り返す。

「……世界く……ンッ」

「好きだよ……」

世界の甘い声と匂いが私の心も身体も溶かして何もかもを攫っていく。

世界の唇が私の頬から胸元に口づけていきながら左胸の下を甘噛みする。針で刺したような甘い痛みに私は唇を噛み締める。

世界は執拗に何度も何度も同じ場所に噛みついてくる。まるでそれは自分のものだと誇示するように。私にこの温もりも痛みも忘れさせないようにするように。

「ンンッ……い……た」

「梅子さんっ……心臓ちょう、だいっ……」

世界が苦し気に私の名を呼びながら奥深くへと潜り込んでいく。姿が見えなくても声が聞こえなくても二人の心臓と心臓が離れ離れになったりしないように。いつも互い心が傍により添えるように。

「……あげる……全部……あげるか、らっ……忘れないで」

勝手に溢れては転がる雫を、世界が唇ですべて掬っていくと私の体をぎゅっと強く抱きしめた。私も世界の背中をきつく抱きしめる。

「好きだよ……愛してる……」

その言葉にもう涙は止まらなくなる。
世界が好きで恋しくて愛おしくてたまらない。もういっそ二つの個体は混ざって溶けて一つになってしまえばいいのに。

「世界くん……愛してるよ……」

まるで魔法の合言葉のように私たちは唇の感覚がなくなるほどにキスをして、一ミリの隙間もないほどに抱きしめ合う。心臓と心臓が混ざりあうようにその夜は何度も何度もかさなって、やがて夜明けにようやく一つになって解けていった。
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