世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「まさか私が……こんな失態……はじめて……」

「ほんと会社では完璧な梅子さんが、そのまさかですよねー。俺は可愛い寝顔見れて大満足ですけど」

「な……かわ……」

世界は女性にかわいいだの好きだの言うのに慣れているのか、顔色ひとつ変わらない。私だけがドキドキさせられて、世界のマイペースさと自由奔放さに巻き込まれっぱなしだ。

「そんなに俺の腕の中安心しました?ずっと引っ付いてましたけど?」

「う、そ……」

「ぷっ、それは嘘です。でもちなみに俺のこと、寝言でお代官さまって呼んでましたけど、何の夢みてたんすか?」

「へ?お代官さま?」

「えぇ、何回もダメだのなんだの、なんかうなされてましたけど?」

世界が意地悪い顏で私を覗き込む。そういえばぼんやりとだが、お代官さまに攫われて畳に押し倒される夢を見たような気もしてくる。その映像が脳内再生されそうになって、私はぶんぶんと顔をふった。

「ちが……あれは夢だからっ」

「ふうん、そんな真っ赤になるほどの夢みたんすか」

ニタニタと笑う世界は本当のお代官さまのように意地悪な顔をしている。

「梅子さん?」

世界に名前を呼ばれて目が合えば、昨夜は何もなかったのになぜだか恥ずかしくてすぐに逸らしてしまう。

(だめ、落ち着くのよ、梅子。こういう時こそ大人な対応を……)

「……えっと迷惑かけてごめんなさい。今後は気をつけるから。だから悪いんだけど……このことは会社では内緒に」

「どうしよっかなー」

世界は腕を組みながら首を傾けている。

「ちょっと……」

「ね、梅子さんこれ見てよ」

世界はベッドサイドから自分のスマホを持ち上げると液晶画面をこちらに向けた。
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