世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「ほかには?なんかすることありますか?」

もはや見慣れた部屋なのに、世界がいるだけでなんだか呼吸がしづらくなってくる。

「な、いわよ……座ってて。緊張するから」

(あ。しまった)

「緊張してくれんだ?」

世界はずるい。ふとした瞬間、敬語からタメ口に変わるたびに私だけがドキドキして世界の想うツボに転がされていく。

「梅子さん」

甘えたような声と共に直ぐに世界の両手がするりと伸びてくる。目の前の鏡には私の後ろに立っている世界が映り込んで鼓動が跳ねる。

「シャワーあびたんすね。めっちゃいい匂い」

世界の少し高めの甘い声が耳元から聞こえて、つま先から頭のてっぺんまで痺れてくる。

「や……めて」

「ちょっとだけ」

世界は私の髪をひとつかみ握ると、見えた首筋に鼻先をくっつけてくる。

「ね、つけていい?」

「だ、めに決まって……」

「のわりに逃げないじゃん」

世界の目が伏目がちになって、形の良い唇が吸い付くように私の首元に当てられる。鏡越しに見ればそこは首の上あたりだ。つけられたらブラウスを着ても思い切り見えてしまう。

「世界くん、そこダメっ」

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