世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
俺が映画館なんてくるのは何年ぶりだろうか?
たしか高校の時に心奈と付き合ってたとき、無理やり連れてこられた恋愛映画以来かもしれない。

「えっと、12列目のK、Mっと……あ、通路横だ、御堂くんここ」

梅子がチケット片手に座席を確認すると自分の隣の席を指さした。

「ねぇ次、名字呼んだらペナルティで梅子さんから俺にキスしてね」

俺は入り口でわざとひとつだけ買ったアイスティーをドリンクホルダーに置きながら座る。

「そんなっ……約束できるわけないでしょっ」

「なんで?簡単なことでしょ、名前で呼んでよってそれだけじゃん」

「大人にはそれが難しいのっ」

梅子がテーラードジャケットを膝に置きながら、スマホの電源を切った。

(いまのは聞き捨てならねぇな)

「何?梅子さんは大人で、俺は大人じゃねぇの?」

「そういう意味じゃなくて……御堂くんは私より年下だから……」

俺はアイスティーのストローを咥えて一口のむと梅子に差し出した。

「な、によ。御堂くんが買ったやつでしょ」

「あ、また言った。合計三回キスしてくださいねって言ってもしないだろうから、間接キスで許してあげます、はいどうぞ」

俺は目を丸くしたまま固まっている梅子にずいと顔を寄せた。

「早くして。このまま周りにドン引かれながら俺にキスされんのとどっちがいい?」

「なっ……」
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