世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
(全然集中できなかったわ……こんなこと初めて……)
理由なんて考えなくてもわかっている。隣の年下お代官さまのせいだ。やはり時代劇に興味がなかったのか映画が始まってすぐに、世界は私の肩に頭を預けて眠ってしまった。そっと目線だけ下げれば、世界が長いまつげを揺らしている。
(寝顔も綺麗だな……)
でも私服姿で眠っているからだろうか。勝気でわがままでやりたい放題の世界より幼く見えて何だか胸がぎゅっとなって落ち着かない。
(疲れてるよね……)
もう十年以上前のことで記憶も薄らいできているが、新入社員のときの一年目はそれこそ目の前の仕事に慣れるのに一生懸命で、帰宅すればご飯を食べるとすぐにベッドになだれ込んでいた。
世界の寝顔を見ていれば世界が真剣な表情で話してくれた言葉をふと思い出す。
──いつか社長になっていまより会社をデカくしたいんです。
あんな風に未来に想いを馳せて生き生きと夢を語る世界がまぶしく感じた。私の入社時の夢ってなんだったっけ?どんな大人になりたくて、どんな未来を夢見ていたんだろうか?そしていつから夢よりも現実重視、現状維持に重きを置いて、何か新しいことを始めることに怖気づくようになったんだろう。
エンドロールが流れ終わると映画館に明かりが灯る。私は右肩の重みに戸惑いながらも、劇場から最後の一人が出て行ってから小さな声で呼びかけた。
「みど……せかいくん、終わったよ」
そっと揺するが世界はかたく瞼を閉じたままだ。
理由なんて考えなくてもわかっている。隣の年下お代官さまのせいだ。やはり時代劇に興味がなかったのか映画が始まってすぐに、世界は私の肩に頭を預けて眠ってしまった。そっと目線だけ下げれば、世界が長いまつげを揺らしている。
(寝顔も綺麗だな……)
でも私服姿で眠っているからだろうか。勝気でわがままでやりたい放題の世界より幼く見えて何だか胸がぎゅっとなって落ち着かない。
(疲れてるよね……)
もう十年以上前のことで記憶も薄らいできているが、新入社員のときの一年目はそれこそ目の前の仕事に慣れるのに一生懸命で、帰宅すればご飯を食べるとすぐにベッドになだれ込んでいた。
世界の寝顔を見ていれば世界が真剣な表情で話してくれた言葉をふと思い出す。
──いつか社長になっていまより会社をデカくしたいんです。
あんな風に未来に想いを馳せて生き生きと夢を語る世界がまぶしく感じた。私の入社時の夢ってなんだったっけ?どんな大人になりたくて、どんな未来を夢見ていたんだろうか?そしていつから夢よりも現実重視、現状維持に重きを置いて、何か新しいことを始めることに怖気づくようになったんだろう。
エンドロールが流れ終わると映画館に明かりが灯る。私は右肩の重みに戸惑いながらも、劇場から最後の一人が出て行ってから小さな声で呼びかけた。
「みど……せかいくん、終わったよ」
そっと揺するが世界はかたく瞼を閉じたままだ。